ヤマダメモー

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Outer Wilds MOD 「The Outsider」のネタバレあり感想

 

Outer Wildsという僕が大好きなゲームでは、有志がMODを作っていてちょっとした改良やらVR化やら色々とできています。今回のThe Outsiderはその中でもストーリーMODと呼ばれるストーリーを盛り込んだ追加コンテンツの形の二次創作となっていて、ロスにあえぐファン界隈で話題となっていた作品です。

詳しい入れ方はこちらのブログが分かりやすいのでぜひご参照を。

sunagi.hatenadiary.jp

ということで、このMODをクリアしたのでネタバレ感想を書きます。本編で感想を残せなかったのもあり、つい熱が入ってしまいますね。

 

★★以降ネタバレあり!★★

 

ちゃんとゲームとして遊べるのがすごいMODでした!

いやー自分でOuter Wildsをプレイできるのは至福ですね!!この宇宙で知らん場所の探索ができて、謎解きで訳分からんができて、Nomaiテキストをカタカタ翻訳して読めて。これだけでもう大満足です。

いくつか解釈違いや気になる点があったものの、非常に楽しめて良いMODでした。

ストーリーについて

このMODは、なるほどアウトサイダーなNomaiがいたら?というIFスタートですね。宇宙の眼へ猛進し続ける方向でなく、もう諦めて別のところで生きていこうよと考えるNomaiがいたら。

そして、Nomaiと流れ者族が出会っていたら。うん、時間の壁が分厚いけど、こういう夢を入れられるのが二次創作のIFですよね。DATURAとFRIENDの友情、良いですね。

宇宙の眼に惹かれ追い求め続けたNomaiと、追い求めた結果宇宙の死を知り封印した流れ者族。Nomaiの中でも宇宙の眼を諦めた方が良いと考えたアウトサイダーDATURAと、流れ者族の中でも宇宙の眼を求めた囚人というアウトサイダーに同意するFRIEND。この背景や思想が異なる人たちで混ざった対比構造が面白かったです。

本編のひよっこ的には、宇宙の寿命という別の形の死が間近にあり、好奇心を置いておいても宇宙の眼で新たな宇宙を作るのは順当です。この宇宙の寿命が前提にないNomai達の場合、一度今の宇宙を終わらせることへの善悪の評価は、DATURAでなくとも善一辺倒にはならない気がします。MOD内ではDATURAがYarrowと喧嘩してるし、他のNomaiはそれを知っても突き進む体かなーと読みましたが、生物環境への倫理観が彼らにもあるし、すごく盛んな議論が行われるかと思います。結論は微妙ですけどね、好奇心モンスターだし、太陽爆発させようとするし!

 

宇宙の眼の善悪の議論以外に、本編中で明かされていないことへの補完でのIFも含まれていました。モリモリでしたね。

DATURAとFilixがSolanumの親の設定を入れることで、なぜSolanumだけがたまたま第6の場所で助かったのかの説明を入れたのは面白い発想でした。偶然でも良いけど、理由があるとより面白いですよね。また、DATURAの親としての思い葛藤が最期の厚みを増してよかったと思います。(ただ、時系列的に家族や行動の矛盾が生まれてないかは少し疑問でした。未検証だし自分の記憶も曖昧だけど)

 

FRIENDが囚人の仲間とすることで、なぜスライドリール焼かれまくってるのに囚人への道が完全に閉ざされた訳ではなかったのかや、現実の保管庫を沈めっぱなしにするのではなく動かすスイッチがあって破壊されたのかの説明を入れたりというのも面白かったです。ただ、老人と若者の世代での説明は、時系列の矛盾が気になっちゃってあまりしっくりきませんでした。Nomaiと出会った時には老人は朽ちていたはずなら、FRIENDを閉じ込めたのは味方寄りの若者たちだったのか…?

 

収拾者という侵入者の前から幽霊物質が宇宙を飛んでいた補完を入れるのも、良い着眼点だと思いました。が、悪い星というだけで結局謎なままなんですね。もうちょい正体や発生原因の設定があると更に満足でしたね。前の流れ者族をNomaiが救っていて出会っていたのは、ロマンチックだけど盛りまくるな~とも思ってしまいました。

 

エンディングは絵で流れたので、自分なりの理解を示すと以下です。

・宇宙は流れ者族のビジョン通りに終わりを迎えた。別の場所のNomaiもろとも滅びた。

・第6の場所のSolanumの元に、ひよっこがワープして下船したNomai船が落ちてきた

・Solanumは船でいずこかにワープした結果、時間を超えて次の宇宙の143億年後だった

・一人生き残ったSolanumは、新たな星々と新たな生命を見て涙する

最後のワープはどうなってんだ、とも思ったけどリトルスカウトもが生き残れるから、これはやりようあるんですよね。DATURAがSolanumを一人にする気はなかったという思いが叶ったかは、次の生命とSolanumが仲良くなるか次第なのかな。

 

全体通して、ちょっと時系列に疑問が浮かんでしまう部分はあったものの、IFとして面白い二次創作だったと思います。

そしてこれだけスムーズに読み取れたのはばっちりな翻訳のおかげです。オークルさんお疲れ様でした!ありがとうございました!

 

探索&謎解き

このMODで一番良かったところです。楽しかった!Outer Wildsやってる感出た!

本編でもあったやり方を使ってニヤリとしつつ、新たな発想、かつ新アイテムとかではない謎解きがあるのは実に良かったですね。

北観測所のセキュリティ2つは、どっちもなるほど上手いこと考えたなって感じで面白かったです。作者の想定通り塔の上とFRIENDに教えてもらい、なるほどそう来たか!ってなりました。生身ではなかなか回らないし、量子の観察を使うのも良いです。知ってれば最初からできるというナイスOuter Wilds!

初期キャンプで宇宙船ぶっ壊して資材確保するの、こいつらなかなか無鉄砲で熱いなーって思ってたら、謎解きに使うことに気づいた瞬間は思わずマジかって笑いました。確かに唯一ひよっこが攻撃できる手段になり得るんだよなー探査艇!アンコウもぶっ飛ばせたりするのかな、試してないけど。

 

その他

最後に、その他ざっくばらんに書いて終わろうと思います。

 

・添削のてっけんさんが以下で訊いてた娘の言い方、今回の「むすめ」についてかな。翻訳上、使えない文字があると別MODで聞いたので 

 

 

・Feldsparは本編で知っててもヒントしか出さないのでこのヤロ!って思う部分はありますが、今回はなんだか……作者嫌いなの?

・Solanumと囚人くんにも何か仕込んでくれてるかと思ったものの、それは期待しすぎでしたね。

・プロジェクションプールのボード、かつてないほど長いやり取りが必要だからバカでかくて笑いました

・アンコウは結局美味いのかな、現実のより可食部少なそう

・流れ者族とNomaiが宇宙の眼星系で会うの、時系列を整理すると何とかあり得るのかな?第5惑星とイバラの状態は流れ者が来てから成長に気付いたみたいだけど、宇宙の眼の信号のEscall船への伝播時間、燃え盛る双子星でのアンコウの化石の発見(イバラ成長から化石化するほどの時間経過が必要)とか、彼らの寿命とか、色々調整すれば奇跡的に何とかなるのかしら。二次創作に求めすぎかもだけど。

・FRIENDの果てなき谷の家にエレベーターがついてますが、あれ谷の反対側から持ってきたのかな。囚人くんに会いに行こうとしたら、見えなくなって使えない状態でした。でも穴には入れなくて当たるので、ただのバグかも。

・以下の図の「自分たちの衛星」は、母星の方が正確な気がしました。重箱の隅ですが、土星の衛星が彼らの母星の理解なので。

 

なんか熱く楽しめたせいで文章も長いし否定的なことも書いてしまいましたが、とても楽しかったです。プレイできてよかった!!